2013年7月19日金曜日

ふしあなⅡ

ある短歌賞の審査員に選ばれる僕。

「儂の目はふし穴じゃないぞぃ」
どうやら僕は大御所らしかった。

主催の出版社には
抗議と嫌がらせの電話が殺到し、
僕は志半ばで降板させられた。

ふて腐れて五年ぶりに外出した僕は、儂として目を疑った。
街を行き交う全ての人の全ての左目と全ての右目の中に、
ただのひとつも眼球は入っていなかったのじゃ。

1 件のコメント:

  1. この雨は私の人生に降った雨の中で275番目に甘い(自由律虚無俳句)

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