2015年8月19日水曜日

ため息になびく白い旗

第一歌集の『サイレンと犀』が増刷されることになりました。
初版は絶対に届けきろうと思っていたのでうれしいです。
手にとって読んでくださった皆さん、ありがとうございます。
見るたびに違って見えるような不思議な味わいの、
飽きのこない素敵な装画を描いてくれた安福望さんにも感謝の気持ちでいっぱいです。
あの旗のいっぽんいっぽんが、『サイレンと犀』の短歌だと思っています。

今回増刷される第二刷では、監修の東直子さんに加えて、
敬愛するシンガーソングライターの長谷川健一さんにも帯文を寄せてもらいました。
自分の好きなミュージシャンに自分の歌集のイベントで歌ってもらえて、
さらに帯文まで書いてもらえることになるなんて、出版前は考えもしていなかった。
「自分で自分のかてになっていく」とはこういうことだなあとしみじみ。

『サイレンと犀』の表紙の色とりどりの旗のなかに一本だけまぎれこんでいる白い旗は、
長谷川健一さんの『白い旗』という曲に捧げたもの。
この曲の歌詞の「何百年と変わらない人の心のやさしさを新しい僕たちは持て余してる」という一節が本当に好きで、
僕はこの一節を「何百年と変わらない」という初句で始まる短歌として愛唱している。

「ととととライブ」で長谷川さんに教えてもらって驚いたのが、
長谷川さんの奥様が写真家で、穂村弘さんの『短歌の友人』の表紙写真を撮影した人だったということ。
初めて買った(歌集以外の)短歌の本は『短歌の友人』だったので、ああ縁だなあと思った。

フィルムで撮ることを続けておられるそうです。
見たことはないはずなのに、どこかで見たことのあるような風景。ため息のような写真。
サカネユキさん web site




1 件のコメント:

  1. ガンダムのお面をしたまま死んでいる子供(自由律虚無俳句)

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