ダ・ヴィンチ『短歌ください』(2013年11月号)第67回「果物」
(穂村さんの選評)「果物ナイフだけ持っていると軽犯罪法違反に問われる可能性があるらしいです」との作者コメントあり。なんともアイロニカルな歌ですね。「鞄」に「林檎」は大きすぎて邪魔だけど、蜜柑やさくらんぼじゃ駄目なんだ。
使い終わった果物ナイフを「あとで食器とまとめて洗おう」と思って
台所のシンクに置きっぱなしにした結果、そこに置いていたことを忘れて、
食器を洗うときにフォークか何かと勘違いして握ってしまい、指をざっくり切ったことがある。
それ以来、果物ナイフの刃を見るのが怖い。
余談でした。
果物テーマには他にこんな歌を投稿していた。
生ハムのメロン!ピラフの干し葡萄!酢豚のパイン! みな蜂起せよ!
甘くない西瓜もたまにあることを実家出てから初めて知った
ピラフの干し葡萄が一番苦手。
自由テーマの方に凄いのを出したつもりだったのに載っていなくて、
悔しくて「もう短歌あげないぞっ」と思った。
でも、見直してみると大きな傷がある歌だったので、そこを補修してストックすることにした。
今回は他に、日経歌壇で名前をよく見る横山ひろこさんの歌も載っていた。
たぶん同じひとだと思う。
スイカ割りよくやりましたなつかしい青い青いスーパーの床に /横山ひろこ
あと、僕の右隣に載っていた竹林ミ來さんの歌も良かった。
教室に打ちつける雨 給食のバナナを女子は決して食べない /竹林ミ來
竹林さんの短歌にはいつも独特の未来観があり、
僕は竹林さんのことを密かに「竹林ミ來観」という筆名で呼んでいる。
今月号で採用されていた方々の年齢はいつもより少し高めで、
おかげで僕はいつもより少しだけ若くなった気になれて嬉しかった。
1000人ドッジボールでも最初に当てられるのでは(自由律虚無俳句)
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