2013年9月6日金曜日

今日活字になった歌

僕を切り売りするような感覚で切り取る分割証明写真

ダ・ヴィンチ『短歌ください』(2013年10月号)第66回「写真」 
(穂村さんの選評)
実感がありますね。「僕を切り/売りするような/感覚で/切り取る分割/証明写真」と、五七五七七のリズムによって、現に内容が「分割」されているところもいい。
プリクラではそういう感覚にならなかった。1回しかやったことないけど。

他にもう1首だけ送っていて、載るとしたらこっちの方かと思っていた。
でも今見るといまいちな気がする。
それ用に撮ってないから歯を見せておだやかな目の指名手配者

自由詠の方に載ってた木下さんの短歌。
僕用の墓だと思う地下駐車場で車を眠らせるとき /木下龍也 
作者コメントとして引かれていた「エンジンを切り、ふっと静かになるあの瞬間が好きです」は
分かるなあ。あの瞬間はいい。小さな死。

あと、工藤吉生さんの短歌が題と自由の両方に載っていて、
それぞれ工藤さんらしくてよかった。
桜の木見上げて写真を撮るひとの片方曲げた足がよかった /工藤吉生 (題「写真」) 
精子以前、子のない頃の父の食う牛丼以前、牛や稲穂や /同 (自由詠)
自由詠の方の「精子」を、僕は勝手に「たね」と読んでいたので、
音数もぴったりでぐいぐい読めて気持ちいい歌だと思った。
工藤さんの代表歌のひとつになりそうな予感。

僕も、来月号のは題も自由も自信があるんだけど、両方載るといいな。

恰好いいおじさんの愛と云ふ名の個展

冊子『短歌の夜明けらしきもの』『五年経つのに』の写真でお世話になっている
高木亨さんの個展が、大阪市西区で開催されています。

グラフィックデザイン展「LOVE AFFAIR〜愛と云ふ名の不幸に就いて」


9月16日(月)まで。
近くにお越しの際は立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

高木さんは写真だけじゃなく、グラフィックデザインも、本人も格好いいですよ。
僕の知りうる範囲では、見た目も考え方も一番格好いいおじさん。
おじさんと呼ぶのは失礼な気がするけど。
あと10日間か。行けるかな・・・

※会場に行けば御本人に会えるというわけではありませんが、
熱望すれば会えるかもしれません。

2013年8月27日火曜日

短歌meetsMusic 61

一瞬のああそのような印象を大切として人を記憶す  /永田紅
meets(白い旗/長谷川健一)

短歌meetsMusic 60

目の奥に夜をおさめてやさしかった真昼のことを胸にとかした  /東直子
meets(Lia Ices/Love Is Won)

そんなもん何でか知らん

引っこしは命かけてもしたくない何でか知らん岸和田が好き /福島悠人

 天神祭短歌大賞 子ども部門 短歌ウィーク賞入選作(テーマ「大阪」)

2013年8月11日日曜日

今日活字になった歌

「危ないところマップづくり」で町に出て危ないところを見つけてうれしい
毎日歌壇(8月11日) 加藤 治郞 選
4月頃に、とある方が企画した突発的なWeb歌会らしき場に提出した歌。
「危ない」を「あぶない」と表記するかは迷ったけど、見たままの事実通りにした。

「感情を表す言葉を使わずにその感情を表現しよう」ということを
公式のように捉え過ぎると、読むのもつくるのも息苦しくなると思う。
単に「嬉しい」「楽しい」という言葉が入っているというだけで
その歌の価値を下げるような読み方はしたくないし、
つくるときにも、「もしかしたらストレートな言葉を使った方がいいんじゃないか」という検討は入れるようにしたい。

あと、毎日歌壇は投稿してから2ヶ月後くらいに載るっぽいことが分かった(まだ2回しか載ってないけど)。
日経歌壇は13日~1ヶ月半くらい。
投稿を検討している方の参考になれば幸いです。

2013年8月1日木曜日

氷の歌

学校は4限目 ぼくは溶けきった氷まくらの音を聞いてる

ともだちは家に呼べない味の無い氷がおやつなんて言えない


ヒースロー空港で見た外国のひとも氷におしっこかけてた


北極の氷は溶けてゆく僕がだらしなくてもそうじゃなくても




暑中お見舞い代わりに、『夜はぷちぷちケータイ短歌』の氷テーマに投稿した過去作を並べてみました。

3首目までが穂村弘さん選、4首目は東直子さん選。

同じテーマの投稿歌のなかで印象に残っているのは次の歌。
背筋にひゅっと冷たいものが走って、涼しくなれる一首です。



回りつつが水に溶かされる 最も静かな共食いとして /大平千賀

「最も静かな共食い」という鮮烈なフレーズと、作者が大平さんだったことを覚えていたので検索できた。

『夜ぷち』の投稿歌もまとめて単行本にすれば、『短歌ください』みたいに売れると思うんだけどなあ。