2013年11月20日水曜日

インターチェンジ

生き延びるために聴いてる音楽が自分で死んだひとのばかりだ

銃口の闇に焦がれて極東のENEOSで引く給油トリガー

運転に支障は無くて何年も放置している心の異音

違反速度で逃げたってどこまでも追いかけてくるこの脳みそめ

アクセルを踏み込みなおす降り口を逃した先に夕陽が見えて

渋滞のニュース聞きつつその距離に連なりを成す命を思う

ジャンクションの弧線が光る ささやかな意志の前途を讃えるように


『NHK短歌』2013年11月号「ジセダイタンカ」への寄稿作品
3首目は安福望さんのブログ「食器と食パンとペン」で絵をつけてもらった
→ 水面と眠り

3 件のコメント:

  1. がんばりすぎると来世は石(自由律虚無俳句)

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  2. ジセダイタンカ、拝読しました。寂しさと力強さの共存にどきっとします。夕陽に染まる砂漠の真ん中に「極東のENEOS」があるようなイメージが、心に浮かびました。

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    1. 晴香さん、いつもありがとうございます。
      次はもう少し滞空時間の長い連作をつくってみます。
      あと、「君」の出てくる歌が最近ちょくちょく生まれ始めているので、どこかに投稿してみますね。
      がんばりすぎて来世が石にならない程度に、これからもがんばります。

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