2015年8月7日金曜日

軽い息継ぎ

フイルムをたまに買ってた写真屋の跡地のモデルルームの跡地
指で窓つくってのぞく飛行機のあれって何機数えてたっけ
紙袋で持たせてもらったネーブルを嗅いでいる一人掛けシートで
赤ちゃんがマスクのぼくをじっと見るできるだけ目で笑ってあげる
カフェで観るライブのときに厨房で食器のこすれあう音がすき
数えるほどのはしゃいだ夜のことも忘れる昼間の月を見失うように
離れていく街の灯りをさっきまであの中にいたぼくが見ている
降りてきた神様みたいな老人を匿っているコインランドリー
指で窓つくって飛行機を探すふりカウントはゼロに戻して
最後の客を降ろしたバスが運転手とうすきみどりの光をはこぶ

初出:第20回文学フリマ向け『新鋭短歌シリーズ 文学フリマ参加記念冊子』

1 件のコメント:

  1. きたねえ水たまりに落ちた鍵(自由律虚無俳句)

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