2013年6月29日土曜日

連続性

カラオケの部屋を出る瞬間僕の連続性にノイズが走る

さっきからピコピコ鳴ってない?と聞く僕にあなたは「ピコーン、じゃない?」

なめらかなプリンを食べて「あ、」と言う僕に続いて口が「なめらか」

「洗濯機、ドライでね」って頼まれてチキン食べたくなっている口

フェイントにかかって脇見2秒間、高速道路の意注ドーピス

3 件のコメント:

  1. 少しずつ暑くなってきたので

    実際に体験した怖い話をしようと思っても

    ある夏の真夜中にふと目を覚ました瞬間、

    耳元で「おはよ」とささやかれたという話くらいしかない。

    当時はマンションの5階にひとりで暮らしていたし

    窓は開けていたが誰かが侵入したとは考えにくく、

    誰かが侵入したのならば、僕はそいつを

    見ているはずであるが誰もいなかった。

    個人的にはとても怖かったが、これを人に話しても

    へえーくらいのリアクションしかもらえない。

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  2. わたしは森の中に寝ていた正確に言うならば森の中に建てられたログハウス(文字通り木の家という意味で避暑地にあるような立派なものを想像してもらっては困るそれは遠くから見ると小屋というよりむしろ風に吹き寄せられたごみの燃えかすの塊に見える)の中に寝ていた、ガイドのアンディが隣に寝ていた、寝返りを打てばキスしてしまうくらいの距離だしアンディの森の男独特の体臭がどうしても気になってわたしはなかなか寝付けなかった。
    窓(といっても壁を四角く切り抜いただけの)から見える月だけが明るかった、月の他に光を放つものは何もなかったそこは獣のような男の匂いをくるんだ完全な暗闇だった、しかし月光は木々の間をすり抜け、小屋にスポットをあてるようにまっすぐな光を投げかけていた。
    さて眠ろう、と体の、向き、を、変えたとき、アンディの大きな手がわたしの鼻と口を押さえ込んだ。一瞬にしてわたしのすべてが独特の体臭に支配されわたしは叫びたかった、しかし叫べなかった。
    息をするな、息をするな、息を止めろ、息を止めるんだ、と暗い穴から湧き上がるような小さな声がわたしの耳に囁かれた、と、あたりが真の暗闇に包まれた。咄嗟に窓の方に目をやるが、月はひと欠片も見えなくなっていた。
    あいつだ、あいつが来た、息を止めろ、息をするんじゃないぞ、息を止めるんだ。
    続いてわたしが感じたのは紛れもない地響きだった、確固として断定的で逃げ場などないことをわざわざ報せるように、断続的に地響きは繰り返された。
    あしおとだ、あいつが来たんだ、息をするな、この場所がばれたら俺たち踏み潰されちまう。窓のほうもみるな、魂を食われちまうぞ。
    大きな手の嫌な匂いのなかで吐き気を催しながら、わたしは頷く、そして地響きがどんどんと近づいてくるのを感じる。
    この小屋はばれるだろうか。わたしはこんなくだらない森のしけた小屋の中、嫌な臭いにくるまれたまま踏み潰されて死ぬのだろうか、それとも魂を食われてしまうのだろうか。
    そう考えると同時にわたしは圧倒的な高揚感に襲われる、マゾヒズムの極限にわたしはいる、わたしは虐げられている、わたしは今確かにひとつの器物として存在している、そして高揚している。

    足音が、とまる。小屋のすぐ脇にそいつは、いる。巨大な体(どれくらい巨大なのかは分からない)が月明かりを完全に遮っている。
    ひとつのモノとしてわたしはある。考えることも感じることも、すべてを放棄する。

    つめたいつめたいわたしに、瞬間、明かりが降る。ぎらりとした月光の直線がわたしを、射す。とても嫌な臭いだけが、わたしを、くるむ。窓の方に目をやると、恐ろしく大きな足がゆっくりと下ろされ、ふたたび月の明かりを隠そうとしているところだった。

    という、マレーシア版デイダラボッチにであった話。

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  3. 創作活動に当コメント欄をご活用いただき、誠にありがとうございます。

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