2013年3月6日水曜日

木下龍也自由律虚無俳句集 Vol.3

ミギーに寄生された新一。
あるいは、
限界集落に残された二人の老人のうちの一人のために
もう一人の老人が営んでいるよろず屋。
そんなふうに『第2ファスナー』を変えてしまった木下龍也さんによる
自由律虚無俳句集 Vol.3をお届けします。
   

   まるかいてちょん千回繰り返したら帰ってもよい

   元カノに会釈された

   鼻かんだティッシュだ勘違いするな

   香典袋から二枚抜いとけ

   おいTSUTAYA俺の家の隣にできろ

   嫌いなやつの生命線が長い

   おまえんちのタオルそら豆の匂いがするな

   お金を出した子一等賞

   手を振る機械と化した祖母

   夢の中の蜂いつも僕だけを刺す

   パトカーに追われながらもウインカーは出す

   店員が落ち着くまで店内を徘徊する

   Tポイントカードどこまで飛ぶか

   左折したやつはみんな死んだ

   吐血してやっと心配される

   蛾と同じ方に避けてぶつかる

   湯豆腐粉々にしてあきらめる

   昼食の4分の3すずめにあげている祖母

   振り返ったらもういなかった独り言になった

   電話後のメモ帳に立方体の群れ

   沸騰するまですることがない 

1 件のコメント:

  1. その恰好じゃピクニックには連れて行けない(自由律虚無俳句)

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